昨年(93年)11月、初めて書いた喜劇「黄昏に踊る」が、ジァンジァンで大好評を得た。出演してもらった
俳優たちの力に負うところ大だったことは云うまでもない。ことに元ボクサー役の葛飾刻斎さんのシーンは、
僕のまわりではいまだに語り草になっている。
さて調子にのって第二弾『つるかめ荘は今日もワルツ』はどうか。舞台は同じく老人ホームである。前回は、
役名をつけず個々俳優名でやってもらったが、今回はあたりまえに役名をつけることにした。
まず、競馬の予想屋である源さん(葛飾)の名啖呵で幕が開く。「競馬はバクチじゃないよ。知的娯楽なんだ」
と叫ぶ源さんではあるが、このところ的中率は絶望的に低い。とうとう予想屋を首になった。
そして次の週のメインレース。2-7の一点買いで間違いなしと、源さんは絶対的自信をもって予想を立てるが、
クビとなったいまではそれも空しい。
だが、これまでに馬券を買ったことのないホームの老人達はそれに乗った。当たれば万馬券である。老人たちの
夢は拡がる。その夢はかなうか。それともー。
二作目のジンクスとよく云われる。果たしてジンクスを破れるか。
マルセ太郎(1994年9月公演チラシより)
1994年9月11日(日)〜15日(木)7ステージ
渋谷ジァンジァンにて初演
作・演出 マルセ太郎
出演 納谷悟郎 斉藤昌子 目黒幸子 矢野陽子
葛飾刻斎 永井寛考 松山薫 今野誠 マルセ太郎
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